SF

2008年5月 6日 (火)

ノーチラス号の冒険

ヴォルフガンク・ホールバイン 作       創元社 

 個人的にすごく大好きなベルヌ「海底20万海里」の続編。こういうのは、ホームズやアルプスの少女ハイジなどでも行われているらしい。他者による(原作ファンの)続編。

 ネモ船長の息子である主人公が父の残したノーチラス潜水艦に乗り込み冒険していくのだが、その潜水艦は実はアトランティスのものだった。アトランティスの末裔、セレナも仲間に加わり、更に冒険がは進む。

 それぞれの巻に緩急あり。個人的には、恐竜の谷や石と化す疫病というSF系の巻が面白かった。SFはやっぱり発想だ。石になった魚と遭遇したり、自分も石になってしまうなんて、普通にはありえないことだから、面白いし心が揺れるのだと思う。

〈シリーズ構成〉

①忘れられた島                    ⑦石と化す疫病

②アトランティスの少女                ⑧灰色の監視者

③深海の人々                     ⑨失われた人々の街

④恐竜の谷                      ⑩火山の島

⑤海の火                        ⑪氷の下の街

⑥黒い同胞団                     ⑫ノーチラス号の帰還

2007年8月27日 (月)

ドウエル教授の首

アレクサンドル・ベリャーエフ 作   袋 一平 訳

早川書房 1969 (原作 1925)

 「いいかい、ラレー、ぼくらは思いもかけず、大きな秘密のしっぽをつかんでしまったんだ」ホテルに帰るとアルトゥルは言った。「誰の首がケルニの家にあったか、わかるかい?ぼくの父の首だよ、ドウエル教授の!」

 その名の通り、首だけとなって生きるドウエル教授の話。それを教授の息子と、その友人が見つけ出す。

 SFの傑作だ。いつも思うのだが、ベリャーエフの作品はもっと翻訳されてもよいと思う。さて、首だけを生き返らせるとは・・・つまり人が死ねないということ。では人の死とは何なのか。何をもって死とするのか。首だけでドウエル教授のように本を読み、思考を楽しめるならよい。思考する人間か否かで大きな差がある。私なら楽しめそうだ。でも生きることに区切りをつけるためには、やはり死の存在は一度きりであるべきだろう。

2007年7月29日 (日)

両棲人間

アレクサンドル・ベリャーエフ 作  飯田規和訳

あかね書房  1971・12

きみはズレタを殺して、グレチエを救い出さなかったの?」「またそんなことをいう!きみは、そんなにけんかすきなのか?」「そうじゃない。だけどあまりにひどいじゃないか!」イフチアンドルは、涙をうかべていた。オルセンは、イフチアンドルがかわいそうになった。

 研究者が、少年の体と魚をくっつけて両棲人間にしてしまった。問題の少年イフチアンドルは長いこと外界と縁を切っていたのだが、グレチエという少女に恋をしてしまう。そして両棲人間ゆえ悩んでしまうというくだり。

両棲人間とはなんて興味をそそる題名をつけてくれたのか・・・ベリャーエフはソ連のSF作家。日本では彼の本があまり刊行されておらず、この「両棲人間」も児童向けに書かれたもの。面白いし、もう少し日本でも取り上げて欲しいものだ。


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読んだ本

  • 上橋菜穂子: 虚空の旅人 (★★★★★)
  • 梁 石日: 雷鳴 (★★★)
  • 重松 清: リビング (★★★)
  • 三浦 綾子: 草のうた (★★★)
  • 山本 文緒: パイナップルの彼方 (★★★)
  • さだ まさし: 精霊流し (★★★★)
  • さだ まさし: 解夏 (★★★★★)
  • シーラという子: トリィ・L・ヘイデン (★★★★)
  • 重松 清: ビタミンF (★★★)
  • ジズー・コーダー: ライオンボーイⅡ 奇跡の翼 (★★★★)