夜のピクニック
恩田 陸
新潮社 2004.7
西脇君は私のこと嫌いだと思うよ。そうか。そうだよな。これだけ無視し続けてるんだもんな。そんなこと、普通分かるよな。融は自分に言い聞かせた。
高校での恒例夜通し歩行祭に参加する三年生二人の話。実は二人は異母兄弟で、それゆえに見えない壁のようなものを感じているのだが、その壁を・・・という話。
私の学校は共学ではないし、夜のピクニックという行事も勿論ないのだけれど、この気持ちは分かる。物語の随所に表される、立ち止まって見た時間、場所。もう二度とない時間と場所にいる、あの充足感とせつなさ。うまく言葉にできない気持ちが、心に沁みてきた。書き方、うまいなぁ。

