御家人斬九郎
柴田錬三郎 作
新潮社文庫 1984.9
「それに吹き寄せに似て居るな。薄焼きの卵が、ご飯に混ぜてある」―――そんなことは、どうでもいいやな。五皿でかんべんしてもらいてえぜ。斬九郎は胸の内で吐き捨てた。
念願の一冊がやっと読めた。ドラマで放送されていた時にあまりに面白かったので、何とか原作が読みたかったのだ。(ドラマも何シリーズかあって、もっと続いて欲しかったのだが、斬九郎の母役の岸田衿子さんが亡くなってしまった為、叶わぬ夢となってしまった・・・)
さて、貧乏御家人ゆえに切腹幇助の副業をなりわう斬九郎と、彼が得たお金は全部食べ物に変えてしまう大食らいの母が出てくる時代小説。ドラマに比べると、設定がコミカルすぎるな~と思わないでもなかった。だけれど、斬九郎と母との江戸調の言葉の掛け合いは見事。作者の知識は半端ではない・・・

