ダレン・シャン 作 橋本 恵 訳
小学館 2001/7(原作2000)
①奇怪なサーカス ⑦黄昏のハンター
②若きバンパイア ⑧精霊の湖
③バンパイア・クリスマス ⑨闇の帝王
④バンパイア・マウンテン ⑩運命の息子
⑤バンパイアの試練 〈外伝〉
⑥バンパイアの運命
⑦真夜中の同志
「ばかやろう!行くわけ・・・ないだろ!傷ある者の戦は・・・わたしの戦でもあるんだぞ。(略)おまえとはずっと・・・苦しみをわかちあって・・・きたじゃないか。いまさら別れられるか。(略)」
普通の少年だったダレンが、ある事件をきっかけに「本当に」バンパイアになってしまう話。バンパイアになるだけでなく、バンパイアとそれに敵対するバンパニーズというグループとの戦いに巻き込まれていく。
これほど一章一章の中にどきどきがある話も珍しい。次が読みたいんだ、と一気に全巻を読んでしまった。よさは二つある。①伏線。主人公のダレンを取り巻く人物、保護者役のクレプスリーに、友だちの蛇少年エブラ、そして謎の仲間(とは言い過ぎ?)ハーキャット。どの人物とも深い関わりができてくるダレンなのだが、関わりをもっていく経緯を知っている分だけ、こんな伏線だったのかと驚いてしまう。
②テーマだ。バンパニア生活終わり、ではなく、一度犯した過ちからは逃れられないという物語の一貫性はもとより「運命」を感じさせるし、ダレンが悩み、行動してきたことも運命の軌道の上に回っている。そういう無常性のようなものが、出ている。
人間だから、運命というものを考えてしまう。今、こうして自分がいること、していること。全部決められていることなのか。運命があって、それに基づいて生きているのか、なんてことだ。ダレン・シリーズで運命を改めて考えるのもいいかもしれない。
劣質な表現が多くて、子どもに「すごくおすすめだよ」とは言いづらいけれど、その分「こうなりたくない」という緊迫感が生まれているのだろう。夢中になる子も多いと思う。