いわゆる名作

2007年8月23日 (木)

変身

カフカ 作   高橋義孝 訳

新潮社文庫   2004.6(原作 1915年)

  すぐに兄の姿は見つからなかったが、寝椅子の下にいるのを発見すると彼女はひどく驚いてーーー驚くにはあたらないのに。どこかにいるに決まっているではないか。

 やっと読めた。主人公のグレゴールという青年が朝起きたら虫になっていたという短くて面白い話。清水義範作『蛙男』のようで、(もちろんこちらの方が先に考えられたのだろうが)書きぶりは『罪と罰』を思わせた。

 巻末書評によれば、この虫が何を象徴しているのかが長年の論議テーマらしい。人間の『異』への嫌悪とそれに相対する家族の繋がり?もし自分の兄が虫になったら・・・主人公の妹と同じ行動をするのではないだろうか。人間、つくづく自分本位だ・・・

2007年8月 6日 (月)

ウミヒコ ヤマヒコ

山本 有三〈戯曲〉

筑摩書房   1977.3

 (ウミヒコ)強情なやつだな。なぐられたら、なぜ、泣かないんだ。なぜ、「わぁっ」と泣かないんだ。そんなひねくれた根性だから、きさまには、すなおなことができないんだ。-ひとこと「すみません」と言いさえすりゃ、なんでもない~

 ウミヒコとヤマヒコという兄弟の話。釣りに行って帰ってきた弟ヤマヒコの表情が曇っていた理由は、兄からかりた釣り針を・・・

 この本は今は亡き祖母に買ってもらった。すごく短い戯曲。当時小学生の3・4年だった私は、こんな書き方もあるんだとすごく斬新に感じた。以来、印象深く心に残っている。内容は道徳的でシンプルなのだが、書き方が力強い。登場人物二人のやり取りや、ウミヒコの温かい心。タイトルを聞くだけで、懐かしい郷愁を感じるのは、やはり名作だからだろう。

 


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読んだ本

  • 上橋菜穂子: 虚空の旅人 (★★★★★)
  • 梁 石日: 雷鳴 (★★★)
  • 重松 清: リビング (★★★)
  • 三浦 綾子: 草のうた (★★★)
  • 山本 文緒: パイナップルの彼方 (★★★)
  • さだ まさし: 精霊流し (★★★★)
  • さだ まさし: 解夏 (★★★★★)
  • シーラという子: トリィ・L・ヘイデン (★★★★)
  • 重松 清: ビタミンF (★★★)
  • ジズー・コーダー: ライオンボーイⅡ 奇跡の翼 (★★★★)