変身
カフカ 作 高橋義孝 訳
新潮社文庫 2004.6(原作 1915年)
すぐに兄の姿は見つからなかったが、寝椅子の下にいるのを発見すると彼女はひどく驚いてーーー驚くにはあたらないのに。どこかにいるに決まっているではないか。
やっと読めた。主人公のグレゴールという青年が朝起きたら虫になっていたという短くて面白い話。清水義範作『蛙男』のようで、(もちろんこちらの方が先に考えられたのだろうが)書きぶりは『罪と罰』を思わせた。
巻末書評によれば、この虫が何を象徴しているのかが長年の論議テーマらしい。人間の『異』への嫌悪とそれに相対する家族の繋がり?もし自分の兄が虫になったら・・・主人公の妹と同じ行動をするのではないだろうか。人間、つくづく自分本位だ・・・

