世に棲む日々
司馬遼太郎 作 1971 文芸春秋
高杉が暴発して、馬関を占領した。というおそるべき報道が諸街道を駆けぬけて敵味方につたえられた時、敵味方とも、「重大事態がおこった」という衝撃と印象をしく持った。(略)要は「高杉晋作」という名前が、衝撃をあたえたのである。
前半は吉田松陰の、後半は高杉晋作を中心に描かれる。私としては、司馬作品最上、幕末作品最上の作品だと思っている。
それは自身が高杉晋作に特別な思い入れがあるからかもしれないが・・・高杉が現在もなお人を魅了するというのは、当時から変わらず、彼の天性の才気と生き方にあるのだ。一時、自分に似ていると思ったこともあったが、そうではない。当時の人が言った様に、高杉は「鬼人」であり「神の申し子」なのだ。彼がいなければ、長州は動かなかった。上士という身分と、思考がその才覚を表すのに役立った。今の日本を見て、晋作はどう思うだろうか。想像すると楽しい。


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